2019 年 75 巻 5 号 p. I_485-I_492
昨今の日本では地方の衰退が問題となっている.先行研究では,大型チェーン店よりも地元商店で食品を購入した時の方が地域内に残るお金が 3 割多いことが示されており,現在の大型チェーン店に依存した買い物行動を,地元商店による買い物行動に変容させることが地域活性化に対して有効と考えられる.そのために効果的な情報提供の方法を検討することを本研究の目的とする.具体的には,フレーミング効果 に着目し,地元商店の利用で約3 割多くのお金が地元に残ることを強調した「残留情報数値あり群」と「残留情報数値なし群」,大型チェーン店の利用で約 3 割多くのお金が「流出」することを強調した「流出情報数値あり群」を設定し,情報提供の効果を比較した.結果,「流出」より「残留」を強調した情報が効果的であることが示唆された.