2019 年 75 巻 5 号 p. I_957-I_966
リニア中央新幹線は日本の三大都市圏を短時間で接続し,日本に多大な経済効果もたらすと期待されている.各県に設置される新駅においては,地域への経済効果を最大化するために,駅からのアクセシビリティを高めることが求められる.本研究では市街地から離れて設置される予定の山梨県駅を対象に,アクセシビリティを高めることが地域にどのような経済効果を与えるのかを計測する.具体的には,全国207の生活圏における現在のアクセシビリティと経済状況の関係性から,リニア開通による全国の経済効果を推定する.さらに山梨県駅と現在のJR甲府駅までを繋ぐ都市内交通を整備した場合の市町村に与える経済効果とともに,税収,労働人口,地価の変化も推定し,都市内交通の整備の重要性を明らかにした.