土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第37巻(特集)
歩数・滞在時間に着目した中心市街地回遊行動の基礎的分析
松中 亮治大庭 哲治鎌田 佑太郎土生 健太郎
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2020 年 75 巻 6 号 p. I_259-I_266

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抄録

本研究は,中心市街地の来街者の歩数・滞在時間について,来街者の属性や付帯情報による違いを分析し,回遊行動の基礎的な特性を定量的に明らかにすることを目的とする.富山市の中心市街地を訪れた来街者を対象に,スマートウォッチ端末を配布し,位置情報・歩数データを取得する回遊行動調査を行った. 公共交通の利用者や,食事や社交・娯楽を目的とした来街,中心市街地内での地域をまたいだ多様な店舗への訪問を行う場合,滞在時間が長く,歩数が多いことを示した.加えて,被験者を滞在時間および歩数の高低で区分し,各区分の属性・付帯情報の構成比率に見られる特性をそれぞれ明らかにした.公共交通による来街の促進,購買行動に限定しない多様な目的を果たしうる中心市街地の構築が歩数の増加,滞在時間の延長に繋がることが示唆された.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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