土木学会論文集D3(土木計画学)
Online ISSN : 2185-6540
ISSN-L : 2185-6540
土木計画学研究・論文集 第38巻(特集)
地震時における細街路単位でのリンク通行確率ならびにノード到達確率の提案~密集市街地での脆弱性の評価と防災対策の向上を目指して~
白柳 博章北村 幸定
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 76 巻 5 号 p. I_155-I_163

詳細
抄録

大阪府寝屋川市は第二次世界大戦後,大阪のベットタウンとして急速に発展し,人口が急増した.そのために地震時等に著しく危険な密集市街地が形成され,地震時において建物が倒壊し,消防車が目的地に到着できない地区が多数ある.最悪の場合,避難所へ避難できずに孤立してしまう恐れもある.そこで本研究では,地震時における細街路単位,区画単位で細かく脆弱性を定量化するための指標として車両ならびに人のリンク通行確率・ノード到達確率を提案した.さらに寝屋川市内の木造住宅密集地域を対象として,リンク通行確率・ノード到達確率・所要時間の期待値を定量的に評価した.その結果,連続立体交差化事業による側道整備によりノード到達確率は最大で98.2%増加し,所要時間の期待値は最大で73.6%減少することがわかった.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top