2022 年 77 巻 5 号 p. I_675-I_685
自動運転技術の発達によって車両挙動の制御可能性が高まった今日において,個別車両の車両挙動特性と交通流の乱れとの関係を明らかにすることは安全で円滑な交通流の実現に寄与する可能性がある.車両挙動の中で最も基本的な挙動である追従行動に関する研究では,追従モデルの構築・推定が多数行われてきたが,様々な交通状況下で個車追従モデルを推定し,追従行動特性を明らかにした研究は少ない.本研究では,個車追従モデルを推定し,推定パラメータに基づきクラスタ分析により個車追従モデルを類型化した上で,速度低下と追従行動特性との関係についての分析を試みた.知見として,追従行動には多様性があり,特定の追従行動特性が速度低下を助長・低減する可能性があるということが示唆された.