2022 年 78 巻 2 号 p. 34-44
ワークショップの参加者が結果に納得するためにコミュニケーションが円滑に行われることが重要である.本研究では参加者が感じるコミュニケーション不安と納得度にどのような関係があるかを分析した.結果として,コミュニケーション不安は結果に対する納得度だけでなく時間配分に対する納得度とも関係があることが分かった.また,コミュニケーション不安が低い参加者は積極的に発言することで時間配分に対す納得度が低くなりやすいという結果から,ファシリテーターは議論を手際よく前に進めることが重要であると言える.さらに,有識者のいるグループでは,コミュニケーション不安が高かったり,納得度が低かったりすることから,有識者がファシリテーターを担う場合は参加者を委縮させないよう注意しなければならない.