2023 年 78 巻 5 号 p. I_129-I_140
リニア中央新幹線の整備が進められており,山梨県にも新駅(仮称:山梨県駅)が建設される.それにより観光やビジネスなど様々な目的での来県者が増加し,多大な経済効果がもたらされると期待される.ただし,その実現のためには山梨県駅から山梨県内各地へのアクセス交通整備が必要になる.本研究は,山梨県内最大の観光地である富士北麓方面のアクセス交通を検討する.山梨県駅が建設される甲府都市圏と富士北麓地域では都市圏が異なる.そのため,空間的応用一般均衡(SCGE)モデルを用いることにした.しかし,従来の SCGE モデルは市町村には適用できなかった.本研究では,まず山梨県を対象に市町村間産業連関表を作成し,それをデータベースとする市町村間 CGE モデルを開発した.そして山梨県駅と富士北麓方面のアクセス交通整備を評価した.