2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20026
高齢者数の増加や免許自主返納者等の増加等に伴い,従来の公共交通を補完する自家用有償旅客運送の活用及びボランティア団体や地域の助け合いによる,買物・通院等の外出支援が重要性を増すと考えられる.本研究では,自家用有償旅客運送及び許可登録を要しない運送を担う団体に対する実態調査に基づき,団体の運行実態及びその運送サービスの継続見通しを,運送サービスの実態,課題や対策という側面から分析した.その結果,団体の収支率,他事業による補填やドライバーの高齢化といった課題がある.また,運送サービスへの行政補助の有無や収入確保及び,団体を運営する人員や収入の確保が継続困難と見込む要因となること,相乗りによる運送効率化や,団体の他事業の人材・車両活用等他のリソースの活用等が継続可能と見込む要因と判明した.