2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20073
我が国の交通インフラ整備は,防災目的のものも含めて,既存の計画に対し大きな遅れを生じている例が多々存在する.その原因の一つが財政制約であるが,インフラ投資による交通網の充実や災害被害の低減が長期的財政収支改善に資することが明らかとなれば,必要な投資の実現可能性の増進が期待されることとなる.そこで本研究では,交通インフラ投資が「将来の財政バランス」に与える効果の分析を可能にするため,既往のマクロ経済モデルに接続する形で各都道府県の地方税収を記述するモデル構築を行った.モデルの検証の結果,従来手法よりも予測精度が向上していることが示された.また高速道路網の整備効果についてケーススタディを行ったところ,インフラ投資が長期的に地域財政を改善する効果が見られ,投資円滑化の一助となる可能性が示唆された.