2023 年 79 巻 25 号 論文ID: 23-25019
顕微鏡電気泳動法を応用し,原水の水質変動や凝集剤の過不足に伴うフロックの荷電状態の変化をリアルタイムで定量化(可視化)する画像処理型凝集センサと,本センサを用いた凝集剤注入率のフィードバック制御システムを開発している.本論文では,画像処理型凝集センサによるフィードバック制御を内部ループとし,極値探索制御を適用して内部ループの制御目標値(SV)であるフロックの荷電状態を表す移動速度の目標値を,自動で調整するカスケード構造を新たに考案し,ラボスケールの試験装置にて評価試験を行った.極値探索制御の適用により,沈澱池出口濁度の管理目標値が水質制約となる場合,総コストが極小値となるSVの最適点が存在する場合の両ケースにおいて,極値探索制御によるSVの自動調整が有効であることを確認した.