2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18044
マウンドや既設ケーソンが近接している据付時に浮遊状態にある新設ケーソンに規則波と一方向不規則波を作用させる水理実験を実施し,浮遊ケーソンの動揺低減対策としてのFlume式減揺タンクの効果を検討した.規則波実験より,Heaveの無次元全振幅は,同調が生じるHeaveの固有周期近傍の入射波周期において,減揺タンクに搭載する自由水の増加とともに小さくなることが分かった.Pitchの無次元全振幅は,入射波周期によらず,自由水の搭載により小さく抑えられることが判明した.Rollの無次元全振幅は,短周期の条件では自由水の影響は小さく,長周期の条件では入射波周期や自由水の搭載量によって変化が異なることを確認した.同様の傾向は一方向不規則波実験からも確認できた.以上より,本実験で用いた減揺タンクは据付時のPitchに対して減揺効果があることが判明した.