土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(環境工学)論文
環境DNA分析を用いた赤川水系におけるサクラマスDNAの検出手法の開発
西山 正晃米田 一路渡部 徹佐藤 高広渡邉 一哉
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2024 年 80 巻 25 号 論文ID: 24-25023

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抄録

 水産資源であるサクラマスの生息状況を把握するために,環境DNA(eDNA)を用いてサケ科魚類の中から対象魚を検出する分析手法を開発した.開発したTaqMan-probe法による定量PCRでは,6種のOncorhynchus属と異なるサケ属(Salvelinus属,Salmo属,ならびにHucho属)から,サクラマス(O. masou spp.)を特異的に検出できることを確認した.また,飼育水槽内の個体数密度を反映したeDNAが検出され,存在量の把握に有効な検出系を確立することができた.現地調査を,2021年7月から11月にかけて,山形県内の赤川水系9地点を対象とした月一回行い,本手法を検証した.その結果,調査期間におけるサクラマスのeDNA量は,10月に有意に高くなり(p = 0.016),降海型の移動を反映していた.以上のことから,本研究で開発したeDNA分析手法は,サクラマスの生息分布や河川内での行動生態を把握することに利用可能であることが示された.

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