2025 年 81 巻 14 号 論文ID: 24-14010
GFRP は重量比強度や耐久性に優れているが,損傷評価手法については不明な点が残されている.特に,疲労損傷として発生する樹脂内き裂や層間剝離は非常に微細であり,外観目視から発見することは困難である.そこで,本研究では,静電容量を用いた疲労損傷評価手法を検討した.まず,電極をGFRP両面に接着した試験体の引張疲労試験を実施し,初期の疲労損傷である樹脂内き裂の発生は静電容量に影響しないことを明らかにした.次に,電極を内部に埋設したGFRPを製作し,引張疲労試験を通して,静電容量と繰返し数,残存剛性の関係を調べた.実験の結果,疲労寿命中期以降で層間剝離の進展に伴い静電容量が低下し,静電容量の低下をもって疲労損傷を評価する可能性が示された.一方,実験を通して電極自体の耐久性も確保する必要性が明らかになった.