2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17013
愛知県濃尾平野を対象に,津波と河川流量の平水および豊水流量を考慮した河口域の複合浸水の計算モデル検証および,海面上昇が浸水特性に与える影響を評価した.想定津波として内閣府中央防災会議による断層モデル11ケースを用いた.モデルにおける津波到達時刻の誤差は最大8分であり,湾奥における6地点の平均津波高の誤差はいずれも1m以内であった.将来気候条件として,SSP2-4.5シナリオの2050年における海面上昇(0.2/0.5m)が浸水特性に与える影響を評価した.その結果,河川流量の違い(平水および豊水)はほとんど浸水特性に影響しなかった.しかし,海面上昇を考慮した場合では,浸水面積が最大51%,平均浸水深は最大41%増加した.さらに,満潮時の津波と海面上昇が重畳する場合は,満潮および海面上昇を考慮しなかった場合よりも浸水面積は約3.2倍に増加することがわかった.