2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17026
水流による土砂の輸送は,土砂を含む流体の密度あるいは土砂濃度の輸送方程式を解くことによって推定されることが多い.しかし,拡散係数のチューニングによって実現象の再現性を確保しようとするなど,必ずしも物理的メカニズムに即した計算手法とは言えない側面がある.一方,土砂に作用する流体力に基づいた土砂輸送モデルの提案も散見されるが,低濃度を仮定した流体から土砂粒子への一方向(one-way)モデルが多い.個々の粒子に作用する流体力を計算するような離散体モデルもあるが,計算負荷が極めて大きいなどの課題を有している.
本研究では,このような土砂輸送問題に対して,土砂体積率や流体力を考慮した混合体モデルの適用性について検討するものである.モデルの適用性はダムブレーク流れを対象とした検証を行っている.