2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17032
日本の砂浜の侵食が進行しており,将来の海面上昇でさらに加速することが懸念されている.効果的な対策を考える際にはこれまでの汀線変化の把握が不可欠であり,全国の砂浜を定期的にモニタリングする手法が求められる.本研究では,日本の砂浜海岸(806海岸,総延長約4,800km)を対象にオープン衛星画像から過去から今日の汀線位置を自動取得するシステムを構築した.Google Earth Engineと連動して衛星シーンの検索,汀線抽出を行うCoastSatに砂浜海岸の位置情報を与え,全国の汀線データを自動取得した.オープン衛星データの蓄積が始まった1980年代と2024年の汀線変化を調べ,前進・後退の動向を既報と比較した結果,傾向は概ね一致し妥当性が確認された.