2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17035
RRIモデルと著者らによるgRSM,WDM-POMを連結し,山地・河川流域と沿岸域の広域土砂動態モデルを構築した.さらに構築モデルを山国川・中津干潟に適用し,2017年出水時の現地観測データを用いて妥当性検証を行った上で,2012年水害時の土砂動態の推定を行なった.そして,d4PDFデータを基に将来的なハイエトグラフを推定し,ハイドログラフを計算して干潟の土砂動態の将来予測計算を行った.まだ実測データの取り込みによる定量的な高精度化は行っていないが,現段階でも定性的には妥当性検証がなされ,2012年出水でもある程度の泥質化が生じていたことが推察された.将来予測計算においても,2012・17年水害時と類似した泥質濃度と含泥率の空間分布が認められ,河口東側において泥質の高濃度域が形成された.