土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
流体剛体連成解析手法を用いた地震と津波の重畳現象の解析
髙本 昌幸米山 望
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2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17042

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抄録

 構造物に津波が作用する最中に,余震動の発生が考えられる.しかし,現行の設計基準では,これらの重畳作用を考慮していない.この複合作用に対する設計手法はいくつか提案されているが,解析手法は現時点で確立されていない.そこで本研究は,流体剛体連成解析手法にポーラスボディモデルを導入し,地震動の作用を考慮した手法により,津波と余震動の重畳現象に適用可能か検討した.その結果,津波の越流の有無に関わらず,津波と余震動の重畳時の作用力の最大値は,設計値と同程度のため,本解析手法は,地震と津波の重畳現象に対して,構造物に作用する力や変位量を定量的に評価可能と考えられる.また,津波と余震動の重畳時の作用力は,各作用が単独で作用する場合の作用力の和で表現できることが解析的に確認された.

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