2025 年 81 巻 25 号 論文ID: 25-25023
天然アユは,摂食した藻類の分解を通じてキュウリやスイカのような香りを発する.これに対して養殖アユは,飼料に藻類を含まないため,この香りが少ない.本研究では,下水処理水を基質として培養した藻類(珪藻が68.6%を占める)を20%混合した人工飼料を,養殖アユに最大15日間給餌する試験を行った.その結果,藻類混合飼料を与えても,養殖アユ体内のキュウリやスイカの香り成分(3, 6-Nonadien-1-olと2, 6-Nonadienal)の濃度に明確な上昇は見られなかった.一方で,藻類混合飼料を10日以上給餌すると,2つの香り成分の濃度比が天然アユに類似した値となった.このときのアユ1尾は珪藻を3.1g以上摂食しており,これは養殖アユに好ましい香りを付けるために与えるべき珪藻量の目安となるだろう.