2025 年 81 巻 9 号 論文ID: 24-00194
角度は物の方向を記述する量であり,土木計画・交通分野でもトリップの起終点間の方向や,各道路が向いている方向など,角度で記述される概念は多い.これらの方向分布から,全体の需要パターンや道路網の物理的形状と交通状態の関係を記述できる.しかし,角度が持つ周期性による取り扱いの難しさゆえに,角度による記述や意味解釈は積極的にされてこなかった.この周期性の克服のために,方向統計学という角度に特化した統計学が発展しており,他分野での応用・貢献がされてきた.本研究では,方向統計学の知見に基づき,交通状態を分析するための新たな方法を提案する.提案モデルでは需要と道路網の二つの方向分布から方向別の交通状態を回帰する.さらに,実際のデータを用いて提案したモデルの性質を評価,考察する.