2011 年 67 巻 1 号 p. 69-88
シラン系表面含浸材は凍結融解と塩化物の複合作用によるコンクリートの劣化の抑制が期待される材料の一つである.経済性と施工性に優れ,施工実績は増加傾向にあるが,耐久性の照査法および施工後の劣化予測手法の確立には至っていない.そこで,効果の持続性の評価を目的に北海道の道路橋地覆において試験施工ならびに沿岸部において暴露実験を行った.先行劣化を受けていない部材ではスケーリング抑制効果の持続が確認された.さらに取得したデータの範囲でライフサイクルコスト縮減効果の評価も行った.