2013 年 69 巻 2 号 p. 138-153
衝撃弾性波法によるコンクリートの圧縮強度の推定方法に,弾性波速度と圧縮強度の相関関係を用いる方法がある.今回の実験では,この衝撃弾性波法による推定方法と微破壊試験である小径コア法を併用する圧縮強度の推定方法を,以下のとおり考案し,その精度を検証した.先ず,新設構造物の建設時に作製した66種類の配合の円柱供試体で弾性波速度と圧縮強度を測定し,両者の関係の特徴を明らかにした.次に,この特徴を利用し,既設構造物の1箇所で弾性波速度と小径コア強度を測定し,その関係より,構造物の任意の位置で弾性波速度を測定して圧縮強度を推定する方法を考案した.既設構造物において,考案した方法の精度の検証を行なった結果,±15%程度の誤差で圧縮強度を推定できることを確認した.