2011 年 67 巻 2 号 p. I_202-I_207
桟橋形式の耐震強化岸壁の設計を行う場合、まず弾塑性解析を行い、必要となる杭諸元を推定し、次にその断面に対して2次元地震応答解析を行い、要求性能を満足する詳細断面を設定するという手順が踏まれる。しかし、地震動や地盤条件によっては、弾塑性解析による推定断面は2次元地震応答解析の結果必要となる断面に比べて著しく耐力が小さい場合がある。弾塑性解析による断面の耐力が小さい理由は、弾塑性解析では地盤変形による曲げモーメントを考慮できないためである。本研究では、2次元地震応答解析を行う前の断面の推定に、地盤変形による曲げモーメントを考慮した方法を用いることを提案する。これにより設計の負荷を低減できると考える