本研究では,伊勢湾湾奥部を対象に,地球温暖化による台風の強大化に伴う高潮・高波による氾濫特性を数値シミュレーションにより解明すること,また氾濫による危険度を評価することを目的とする.本研究で用いた数値モデルは,マイヤーズモデルに基づく台風モデル,one-wayネスティング手法を導入した水深方向に積分平均化した流動モデル,波浪モデルSWAN,CIP法を導入した氾濫モデルから構成されている.本数値シミュレーションの結果,将来起こりうる大型台風により1959年の伊勢湾台風と同等以上の規模の被害が生じることが示唆された.また,本数値シミュレーション結果に基づき,将来起こりうる氾濫に対し,6つの危険度指標及び6つの指標を統合した指標を用いて危険度評価を行った.