土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.28
2011年東北地方太平洋沖地震津波の岩手県南部における被災調査
鈴木 崇之佐々木 淳田島 芳満早野 公敏
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2012 年 68 巻 2 号 p. I_25-I_30

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抄録

 2011年3月11日,東北地方東方沖を震源としてM9.0の大地震に伴い大津波が東北地方を中心に襲った.震災直後,複数の関連学会で構成された,東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループが立ちあげられ,東北地方には3月27日より第1期調査隊として6チームが現地に入った.本論文では,この第1期調査で横浜国立大学・東京大学合同チームにより行われた岩手県南部の釜石湾,両石湾,大槌湾,綾里湾,大船渡湾の調査結果を示す.津波痕跡高は,7.7mから30.1mまで記録された.釜石湾と両石湾では湾口防波堤の有無により浸水高に大きな違い見られた.また,大船渡では背後域の低平地の広がりの有無により被災状況が大きく異なることが分かった.さらに,湾口防波堤のある大船渡や釜石では湾内の流速が比較的小さく,水位上昇の速度も低減されていたことが目撃証言などから推察された.

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