2012 年 68 巻 2 号 p. I_780-I_785
台風0418号及び台風0423号に伴う高波により海岸護岸背後の国道で通行障害が発生した高知県室津港海岸を対象として,波の砕波・遡上に加え越波計算が可能な平面2次元ブシネスクモデルを用い,道路通行規制実績から見た当時の越波状況の沿岸分布に関する再現計算を行うとともに,代表12断面において修正仮想勾配法を,さらにそのうち3断面でCADMAS-SURF/2Dを適用して得られた打ち上げ高及び護岸越波量と比較し,その妥当性を検討した.
ブシネスクモデルにより推定された越波状況は,護岸消波の影響または平面的な波浪変形が比較的小さいと思われる代表断面において,それぞれ1次元的な手法による結果とよく一致するとともに,これらを考慮すべき代表断面及びその他の沿岸方向の各護岸においても,妥当と判断される結果を得た.