2013 年 69 巻 2 号 p. I_1162-I_1167
気相・液相・固相の相互作用を解析できる数値計算モデルを用いて,風による風波の発達現象に対する同モデルの再現性を検証するとともに,風によるコンテナの漂流挙動をコンテナへの作用力の観点から考究した.風による風波の発達現象に関して,吹送距離の増加とともに有義波高も増加する点で水理実験との対応を確認した.ただし,その増加割合には水理実験との差異を確認し,気液界面での相互作用を適切に再現する必要性を示した.風を主要因としたコンテナの漂流現象の解析では,風速の増加やコンテナの質量の減少とともにコンテナがより大きく漂流することを確認した.さらに,コンテナに作用する風下方向の力は抗力だけでは評価できず慣性力の影響を大きく受けることを示し,コンテナの漂流挙動を予測する際における慣性力の重要性を明らかにした.