津波の伝播に伴う日生港の共振現象

抄録

　2010年2月27日および2011年3月11日に発生したチリ中部沿岸地震および東北地方太平洋沖地震による津波が伝播し，岡山県日生港で共振により0.4m程度の水位変動が生じた．さらに，姫路港における潮位変動のスペクトル解析から，39～93分の周期帯で比較的大きなエネルギーを有することが明らかになった．
　岡山県日生港における潮位記録から明らかになった副振動について平面2次元流動方程式を用い特性曲線法によって解析した．計算結果をもとに算出した日生港における潮位偏差のr.m.s.は，2010年および2011年では，それぞれ0.23mおよび0.16mであり，観測結果から算出したr.m.s.の1.15倍および1倍であることからほぼ満足いく精度で観測結果を再現できた．