2014 年 70 巻 2 号 p. I_163-I_168
閉鎖性海域の水質悪化は著しく,特に港湾海域では密度成層の発達による底層水の貧酸素化が深刻な問題となっている.成層場を緩和する海水混合技術が多く開発されているが,密度場の流体運動は時空間的に複雑な挙動を示すため,現地に適用する際には事前に混合効果を把握しておく必要がある.本研究では,密度場に噴流を作用させた水理実験を実施し,画像解析手法により海水混合特性について検討した.
同条件の成層場に対して異なる噴流を作用させた結果,噴流リチャードソン数により混合効果を整理できる可能性があることが示唆された.また,成層場の形状の異なる場に同条件の噴流を作用させた結果,噴流の発達領域が広範囲に及ぶように噴流を作用させることでより効果的に海水が混合できることが明らかとなった.