土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.30
ブシネスクモデルに導入したネスティング計算の適用性
平山 克也岩瀬 浩之
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_217-I_222

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抄録

 ブシネスクモデルの計算効率を向上させる1つの試みとして,非線形長波モデルを用いた広域の津波伝播計算などに多用されるネスティング計算法に着目し,その導入法と適用性について検討した.導入したネスティング計算法では,接続する領域間の空間差分間隔の比率は1:1または2:1,差分時間間隔の比率は任意とし,接続に必要な水位・流量Fluxの時空間分布はそれぞれ線形補間して与えた.一様水深上の重複波浪場や,斜面上の浅水・砕波変形あるいは球面浅瀬上の屈折・浅水変形が生じる波浪場で領域接続を行った場合,1:1接続では,上位・下位領域で得られた計算結果は互いに完全に一致し,領域接続を行う波浪場に制約がないことを確認した.一方,2:1接続では,空間解像度の高い下位領域で計算精度が向上したが,砕波帯内で接続した場合の計算精度は,上位領域での砕波計算の精度に依存する.

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© 2014 公益社団法人 土木学会
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