2015 年 71 巻 2 号 p. I_1203-I_1208
グラブ浚渫作業に際する密閉式バケット降下時の流動場の解析を流体とバケットの相互作用が解析できる数値計算モデルにより行い,検証実験との比較によりモデルの再現性を確認するとともに濁りの発生が抑えられる効果的な降下操作方法を検討した.その結果,バケットを一定速度で降下させた場合,降下時に発生する渦と着底時に爪先から吹き出す流れによりバケット外側に大きな底面流速が生じること,バケットの一時停止により渦の影響が抑えられ,また一時停止後の降下速度の減少により吹き出す流れが抑えられるために底面流速が低減することが判明した.以上より,バケットを底面から少し離れた位置で一時停止させ,その後の速度を抑えることで底面流速を低減させられることから,以上の降下操作方法は濁りの発生を抑えるのに効果的であることを示した.