土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.32
伊勢湾・三河湾における津波最大水位とその到達時間の空間分布に関する考察
藤田 祥平加藤 茂岡辺 拓巳
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2016 年 72 巻 2 号 p. I_169-I_174

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抄録
 近年,南海トラフ巨大地震を想定した津波の伝播計算とその結果を用いた津波防災に関する研究が数多く行われている.本研究の対象とする伊勢湾・三河湾に来襲する津波は,地形的特徴から必ず伊勢湾口を通過するため,湾口周辺での情報を湾内各地に来襲する津波の事前情報と考えることができる.加えて,2014年には伊勢湾口沖にGPS波浪計が設置され,湾内に来襲する津波の情報を早期に入手できる可能性が高まった.そこで本研究では外洋から伊勢湾・三河湾に来襲する津波のシミュレーションを実施し,湾内での津波の最大水位とその到達時間の空間分布の特徴を把握し,湾内の津波危険度分布について考察した.伊勢湾内においては,知多半島先端が特に水位伝達率が高く,最大水位到達時間も短いため,津波による被害発生危険度が高い地域であることが明らかになった.
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© 2016 公益社団法人 土木学会
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