2017 年 73 巻 2 号 p. I_19-I_24
仙台湾南部海岸では,2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波によって被災した海岸堤防を“粘り強い構造の海岸堤防”として復旧してきた.名取川河口の北側に位置する仙台市の深沼地区海岸井土浦地区では,景観や生態系などの貴重な自然環境へ配慮し,用地,堤体材料等の制約条件から,「CSG海岸堤防」による復旧工事を進めてきた.
本報は,深沼地区海岸井土浦地区において採用した「CSG海岸堤防」を施工する上での課題解決の過程,緩い地盤条件における設計の考え方,粒径5mm以下の砂分を最大70%含んだCSG(単位セメント量40kg/m3)の適用等の検討事例を報告するものである.