2017 年 73 巻 2 号 p. I_66-I_71
藻場礁を構築するために海底に単独設置されるコンクリートブロックの作用流体力特性と安定性能を調べるため,水理模型実験により波浪及び一方向流れによるブロックの作用流体力(水平方向流体力Fx,鉛直方向流体力Fz,およびFx,Fzによる曲げモーメントMy)を多分力計で計測した.波浪に対するFxの評価式にモリソン式を適用し,式中の抗力係数CD,慣性力係数CMを評価した.その結果,CDはKC<3程度で著しく増大し,KC>3程度でほぼ一定値になる.CMはCDよりも変化が小さいが低KC数でやや減少する傾向がみられた.Fxの周期間の最大値はこれらのCD,CMの評価値とモリソン式でほぼ精度よく算定できることを確認した.また,本実験ではブロックの被害は滑動により生じ,その時のFxは,ブロック水中重量WwとFZの影響を考慮した静止摩擦力F0を超過していることを確認した.