2018 年 74 巻 2 号 p. I_617-I_622
沿岸域の波浪を精度良く推算するためには,外洋から沿岸の変形を連続的に扱うモデルを用いることが望ましい.本研究では,外洋に適用可能なWAVEWATCH IIIと沿岸に適用可能なSWANを多段階ネスティングにより接続することで,外洋から沿岸までを一連で解析するモデルを構築し,構築したモデルの波浪推算精度を検討した.鳥取県沿岸を対象に通年の計算を行い,計算値と観測値を比較した結果,有義波高と有義波周期の再現性はSWANのみで構築したモデルによる計算結果よりも良好であることを確認した.また,空間解像度に応じた推算精度の検討を行い,沿岸域における波浪を精度良く推算するためには空間解像度を細かく設定することが有効であることを示した.