本体工に深層混合処理工法を用いた岸壁の動的有限要素解析手法

抄録

　深層混合処理工法などにより固化改良した地盤を直接本体工として利用する岸壁構造への適切な解析手法を提案することを目的として，模型実験とその再現解析を実施した．模型実験では，縮尺模型を用いた遠心力場での加振実験を実施し，動的挙動を調べた．再現解析では，有限要素解析コードFLIPを用いて岸壁をモデル化し，模型実験結果との比較を通して，数値解析結果の妥当性を検証した．検証の結果，本研究においてモデル化した固化改良式岸壁の数値解析は，遠心模型実験の結果とよく整合し，採用した解析手法の当該岸壁構造への有効性が示された．また，一連の模型実験と数値解析の検証を通じて，本体工としての固化改良体の改良幅や深度の断面条件が岸壁挙動に与える影響について知見を得た．