2021 年 77 巻 2 号 p. I_619-I_624
規則波下における浮遊ケーソンの動揺に対するFlume式減揺タンクの効果と機構を水理実験により考究した.その結果,Heaveの無次元全振幅に与える減揺タンクの影響は小さいことを確認した.一方,Pitchの無次元全振幅の最大値は,減揺タンクに搭載する自由水の質量の増加とともに減少することが判明した.また,減揺タンクに搭載した自由水による減揺モーメントを推定し,減揺モーメントにとって自由水に作用する重力の寄与が大きいこと,水平方向の慣性力は減揺モーメントの振幅を増大させる効果があることを明らかにした.減揺モーメントからPitchの全振幅を求めたところ,水理実験結果と概ね一致する結果が得られたことから,ケーソンに搭載する減揺タンクについても船舶海洋工学分野における減揺タンクと同様に説明できることを示唆した.