2017 年 73 巻 3 号 p. I_35-I_43
NEXCOが管理する高速道路のうち,約4割は供用年数30年を超過している.これに伴い近年は下層路盤を含む舗装の構造的な損傷事例が顕在化している.構造的な損傷の増大が想定される中で,効果的かつ効率的な舗装補修を実施するためには,供用路線が求める現実的な補修要件に適合した新たな設計手法の構築が求められる.本研究では,まず補修時の設計に必要な要素を設計手法のフレームワークとして提案し,次に問題箇所で実施したFWD測定と開削調査の結果から,既設舗装の構造的な健全度が低下した箇所を検出する指標を設定した.更に健全状態を推定したレジリエントモデュラス試験と損傷状態を推定したFWD測定値の逆解析結果により材料定数を設定し,提案する補修時の舗装構成に応じた補修効果を確認した.