抄録
本研究では,東海道新幹線の粘性土路盤区間における保守多投入箇所の成因の検証を目的に,道床・路盤状態を模擬した模型地盤に対して繰返し載荷試験を実施し,道床厚や含水状態がバラスト軌道の沈下に与える影響について検討を行った.模型地盤は実物の1/5サイズとし,バラスト,細粒化バラスト,砕石混じりロームの3層構成とした.試験結果から,道床厚(バラストと細粒化バラストの層厚の合計)が薄くなると載荷初期の沈下量は小さいが,路盤圧力が大きいため,路盤表層の飽和度が上昇すると路盤表層が軟弱化してまくらぎの沈下進みが速くなること,一方で道床厚が厚くなると路盤表層の飽和度が上昇してもまくらぎの沈下進みは遅い傾向にあることが明らかとなった.