2019 年 75 巻 2 号 p. I_195-I_200
アスファルトは古くからコロイド構造であると考えられている.オイル成分中でアスファルテンやレジン分が集合体となって分散しており,酸化劣化が進行すると,この集合体がネットワークを形成してアスファルトの流動性を下げるとされている。アスファルテンは自身の極性基に由来する表面荷電を有しており,劣化によるアスファルテンのネットワーク形成という凝集現象に対して,アスファルテンの荷電特性が影響している可能性が考えられる.本研究では,劣化によるアスファルテンの荷電特性や凝集分散特性の変化を検証した.未劣化アスファルトのアスファルテンは,pH4近傍でアスファルテン粒子が凝集沈殿し,それよりも高pH域では分散していた.また荷電特性を表すゼータ電位はpHによって変化した.一方,劣化および再生アスファルトのアスファルテンには明確な凝集沈殿は見られなかった.荷電特性について,未劣化のアスファルテンよりも劣化や再生の方がアスファルテンのゼータ電位の絶対値が高かった.これは,酸化劣化によりカルボニル基が増え,負荷電の影響が増したことが要因であることが示唆された.