65 巻 (2009) 1 号 p. 789-795
地震による構造物の被害予測には,表層地盤に関する地盤増幅率の評価が重要となる.本論は,この地盤増幅率について,土木·建築分野における主要な評価手法を調査し,算定根拠を整理するとともに,このうち主要5手法については,地盤の1次周期,構造物の固有周期,地盤の材料非線形性による効果に関して,数値シミュレーションを実施し,地盤増幅率を定量的に考察した.その内の4手法は,地盤の1次周期と構造物周期の相対関係,および,地盤の材料非線形性の効果をともに反映しているが,後者の効果を,任意の強さの地震動に対して利用できるものは限られていた.また,微弱な地震時の地盤増幅率について非常に大きな値を示すものがあり,上限値に対する配慮の必要性をあわせて指摘した.