2012 年 68 巻 1 号 p. 124-135
阪神高速道路7号北神戸線の耐候性鋼橋に対して,詳細な防食状態や塩分量の調査が1998年~2008年の10年間実施されてきた.本報告では,その結果をまとめ,傾向分析を行った.ここでは,外観評点とさび厚,さび厚と板厚減少量,保護性さび形成状態と外観評点,および腐食状態と塩分量との関係に着目して傾向分析を行った.これらの結果より,外観評点によって,さび厚や保護性さび形成状態などの腐食状態をある程度把握できることがわかった.また,冬期の凍結防止剤の散布によって橋梁に供給される塩分量が想定以上に多いこと,付着塩分量と外観評点やさび厚などのさびの状態との関係と腐食損傷には一定の相関関係があることがわかった.