2012 年 68 巻 1 号 p. 136-150
負曲げを受ける合成桁のRC床版のひび割れ損傷などに関する研究は数多くなされているが,さらに,引張軸力を受けるRC床版内の鉄筋ひずみやコンクリートのひび割れ挙動を追跡できる数値解析手法の開発が求められている.本研究では,鋼桁とRC床版の不完全な合成効果はもちろん,鉄筋とコンクリートの付着や乾燥収縮の影響をも考慮して,合成桁の負曲げ挙動を追跡する剛体ばねモデルを用いた数値解析手法を構築している.そして,合成桁の模型試験体を用いた実験結果と解析結果の比較を通して,負曲げを受ける合成桁RC床版内の鉄筋ひずみやコンクリートひび割れ挙動を定量的に追跡できることを確認している.