2012 年 68 巻 1 号 p. 16-27
本論文では,高力ボルト摩擦接合継手部を有する合成桁接合部の終局曲げ挙動を調べることを目的として,模型桁の載荷実験を行っている.模型桁には高力ボルト摩擦接合継手部がすべり先行型となる場合と,降伏先行型となる場合の二体を用意し,それぞれ床版の圧壊が生じるまで載荷を行い,高力ボルト摩擦接合継手部の設計方針が曲げ挙動に与える影響に注目している.また,高力ボルト摩擦接合継手部を有するコンパクト断面合成桁が,AASHTOで規定される塑性モーメントに達するかどうかについても注目している.最後に,合成桁接合部のすべり耐力の算定方法として,床版と桁の塑性化を考慮した終局すべり耐力を計算し実験結果との整合性を確かめている.