土木学会論文集A1(構造・地震工学)
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和文報告
新幹線走行に伴う地盤振動低減のための軌道における対策と効果
田中 博文古川 敦長谷川 雅彦金尾 稔
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2012 年 68 巻 3 号 p. 583-596

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抄録

 本論文では,新幹線走行に伴う地盤振動低減のため,トンネル内軌道を対象に軌道保守管理の一環として複数の対策を実施し,その効果を検証した.まず,軌道支持ばね係数の低弾性化のために従来のものよりも低弾性の軌道パッドを使用し,トンネル内において50Hz帯域の振動成分が減少した.しかし,その後の測定において,波長2.5mに対応する振動成分の卓越が見られたため,軸箱加速度を活用しレール凹凸を評価した結果,一部のレールでその波長の凹凸が大きいことを確認した.次に,それらのレール凹凸を平滑化し軌道への加振力を減少させるためにレール削正およびレール交換を行い,トンネル内において12.5Hz帯域の振動成分が減少した.これらの対策により,トンネル上部の住宅地において平均6dBの地盤振動低減効果を確認した.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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