2012 年 68 巻 4 号 p. I_1126-I_1133
近年発生した大津波は,多数の橋梁を流出させ,災害援助や復旧作業に多大な影響を及ぼしている.現在,橋梁構造物に対する津波対策の明確な基準が存在せず,橋梁を対象とした津波対策が重要視されている.本研究では水理実験を行い,鈑桁橋の対津波特性を明らかにすることを目的とした.100分の1スケールの4主桁断面を用いて,橋梁に作用する流体力の測定を行い,ハイスピードカメラを用いて橋梁周辺の状況を撮影し,津波が作用した時の流況の分析を行った.その結果,津波作用直後に上向きの力が作用し,その後急激に下向きの力が作用することがわかった.また,鈑桁断面は上流側張り出し部により波が反射され,上流側の水位が高くなることがわかった.