2012 年 68 巻 4 号 p. I_236-I_243
地盤構造推定のための重力探査に用いられるスプリング式重力計は,非常に高い精度を持つ反面,取り扱いが難しいことや測定に多くの時間を要するといった問題がある.そこで本研究では,比較的小型かつ軽量,さらに移動しながらの測定が可能な簡易相対重力計の開発を目指して基礎的検討を行う.検討にあたっては,フォースバランス型加速度計が重力計としてどの程度の性能を有するかを調べる.特に,移動しながらの重力測定で加速度計が妥当な値を得られるかについて注目し,様々な状況下で観測を行った.その結果,状況によっては,数mGal程度のオーダーで重力測定が可能であるということが明らかになった.