土木学会論文集A1(構造・地震工学)
Online ISSN : 2185-4653
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地震工学論文集第31-b巻
各種の地震動に対する累積損傷度法による液状化判定法の適用性
井澤 淳田上 和也室野 剛隆
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2012 年 68 巻 4 号 p. I_260-I_267

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抄録

 本稿では,各種の地震動に対する累積損傷度法による液状化判定の適用性について検討することを目的とし,有効応力解析との比較を行っている.まず有効応力解析により,低加速度・長継続時間地震動であっても大振幅の直下型地震と同等の液状化が発生する可能性があることを示した.このような液状化現象を累積損傷度法により評価する場合は,多繰り返し部の液状化強度曲線を精度良く評価する必要があることを示した.また,累積損傷度法によって液状化に至るまでの地盤に作用するせん断応力比をある程度評価できること,過剰間隙水圧の上昇傾向を累積損傷度Dの増加傾向で評価できることが分かった.ただし,過剰間隙水圧の上昇による剛性低下を考慮していないため,液状化発生後のせん断応力を過大に算定してしまい,過剰に液状化する判定を与えてしまう可能性があることも示した.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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