2012 年 68 巻 4 号 p. I_315-I_330
2011年東北地方太平洋沖地震により,那珂I.C.周辺の高速道路盛土が崩壊し,常磐自動車道の通行が一部不全に陥る一要因となった.この経験を踏まえた今後の道路盛土の耐震性評価のためにも,崩壊地点における地震動の推定は非常に重要である.そこで本研究では,まず,崩壊地点近傍での余震観測結果および常時微動計測結果などに基づいて,当該地点におけるサイト特性を評価した.そして,サイト特性置換手法を用いて本震ならびに最大余震における被災地点での地震動を推定した.なお,推定地震動の適用性については,既存強震観測点での記録を再現し,一定の精度で推定可能であることを確認した.