2013 年 69 巻 4 号 p. I_965-I_972
日本は大規模災害となるような地震が多く発生する地域であり,近年も東北地方太平洋沖地震をはじめ大規模な地震災害が頻発している.それに伴う石造構造物の被害も多く発生しており,特に灯篭や墓石は石材を積み重ねた単純な不安定構造物であることから,多くの被害を受けている.墓石に関しては,兵庫県南部地震を契機に様々な補強方法の考案や検証が行われてきたが,灯篭に関しての耐震対策の検証は現状ほとんど行われていない.そこで,今回は石灯篭に着目し,無補強と有補強の石灯篭に対して地震時応答特性と耐震補強方法について実験的研究と解析的研究を行った.石灯篭に心棒を通す補強法をとったが,振動台実験や解析結果から,本方法は灯篭の倒壊防止に有効な対策となることがわかった.